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アール・デコの歴史と知識
アールデコとはパリで1925年に開催されたパリ万国博覧会、(またの名を現代産業装飾芸術国際博覧会)から第二次世界大戦が始まる1939年までを指します。
第一次世界大戦前からアールデコの流れが、ファッション、芸術や建築物に見られました。
また、当時の悲惨な世界第一次世界大戦から現実逃避、忘れようとするためにアールデコの流行は必要でした。
ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館はアールデコを1910年から1939年までと定義しています。
またアールデコのジュエリーは、1918年または1919年 に存在していたということですが、全体的な流れ、または宝石業界だけをとってみると、1925年のパリ万国博覧会を機に始まります。
アールデコの名前の由来は、パリ万博のフランス語の正式名称であるExposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels Modernes(現代産業装飾芸術国際博覧会) のArts Decoratifs を略してアールデコといいます。
意味は装飾美術を意味します。
アール・デコ アンティークジュエリーの特徴
1)これまでのアール・ヌーボーは曲線を主としていましたが、アールデコは直線を主とします。
現代的で実用的な、単純・直線的なデザインに変わりました。
アール・ヌーボーは曲線を活かした、植物などの有機的な デザインです。対称的にアールデコは直線を活かした、車、飛行機などの無機的なデザインです。
それは世界中で起こっていた、工業化、近代都市化に生まれ変わりつつある、社会の流れで、世界中の都市で流行しました。
ヨーロッパ、アメリカはもちろん、北、中、南米、インド、オーストラリア、ニュージーランド、アフリカ、アジアといった世界中で流行しました。
2)アールデコは日本、中国、インド、エジプト文化から影響を受けています。
1922年にエジプトでツタンカーメン王の墓の発掘も重要な出来事です。
東洋がテーマの作品も多くヒスイや珊瑚とプラチナやダイヤモンドと組み合わせた額、化粧道具入れ、煙草入れ、パウダーボックスは日本や中国の景観をマザーオブパール、漆、やエナメルを使って装飾しました。
3)第一次世界大戦で次々と男性が兵士となり出征していく中で、女性が労働に参加するようになり、更に女性が社会に進出していきました。
そしてイギリスでは1918年、アメリカでは1920年に政治に参加できる参政権を得ました。
女性が社会で大きな役割を果たしていく中で、女性たちの主張を フラッパー というファッション、生活スタイルで表現しています。
短いスカートとショートヘアーという組み合わせだけでなく、濃いメイク、強いお酒、喫煙、ドライブを積極的に楽しんだのです。
喫煙する女性が増えるにしたがって、凝った細工が入った煙草入れ、象牙の煙草入れが作られました。
そしてこの人々がアールデコ様式のジュエリーを好んで身に着けていました。
女性は、男性の理想(細い体)を具現化したコルセットを脱ぎ捨てて、スリムなドレス、短いスカート、短い髪を好みました。
短い髪にあう長いイヤリングを、スリムなドレスに合うボリュームのあるバングルを、シンプルなドレスにはロングチェーンのネックレスを身につけました。
ブローチも、これまでの夕方だけ身につけるのではなく、一日中身につけ、しかも、ドレスだけでなく、帽子、靴につけるようになりました。
4)カルティエやルネ・ラリックらデザイナーはこれまでの、ダイヤモンドをたくさん使った、伝統的なジュエリーではなく、ダイヤモンドの数を減らし、ルビー、サファイア、エメラルドを取り入れた作品を作り始めました。
精巧でエレガントなセッティングに主に置いて、エナメル、グラス、角、象牙などの素材を使い始めます。
5)鮮やかな色使い、強いコントラストの傾向になります。
ブシュロンやカルティエらはカラフルな宝石を葉っぱ、お花、フルーツモチーフのブローチ、イヤリング、指輪、ペンダントを作ります。
6)目まぐるしく変わったファッションによってジュエリーも新しくなりました。
袖のないドレスは、腕にジュエリーが必要になり、 金、銀、プラチナの素材、ラピスラズリ、オニキス、珊瑚、やカラフルな宝石を使ったブレスレットがその袖のないドレスに作られました。
7)腕時計が第一次世界大戦前に発明され、装飾時計がよりラグジュアリーになりました。
ダイヤモンドがセットされ、エナメル、金、銀メッキが施されました。
このことがカクテルウォッチの誕生に繋がります。
8)幾何学模様、直線を用いたデザインになります。
(幾何学模様とは三角形、四角形、六角形などの多角形や円、楕円を用いて、それらを連続的に使って模様を描いたものです。)
なぜそのようなデザインになったのか、という簡単な答えは産業革命とキュビスム(絵画)から説明できます。
まず産業革命から生まれたものから、例えば工場の機械や車を例に取ってみると、沢山の幾何学模様や直線を用いたデザインです。
そしてキュビスムですが、下の絵画を見て頂いたらわかりやすいのです。
ピカソの絵画ですが、これまでの絵画はいかにリアルに描くことに力を入れていたのですが、カメラの誕生によって、必ずしもリアルに描くことが重要ではなくなりました。
そこでピカソの描き方である、ものを幾何学模様で表現する描き方である。
この2つのことからインスピレーションを受けたのがアールデコのデザインと言われています。